紀元前2世紀半ば、強大国であったカルタゴを滅亡させ、ローマは地中海世界の覇者と呼ばれるようになっていた。しかしそのローマも次第に内部から病み始める。名将スキピオ・アフリカヌスの孫であり、若き護民官となったティベリウス・グラックスは、改革を断行すべく、強大な権力を握る元老院に挑戦するが、あえなく惨殺される。遺志を継ぎ護民官となった弟ガイウスの前にも「内なる敵」は立ちはだかる。

三回にわたって、大国カルタゴと争ったポエニ戦争が終わりを告げ、ローマは勝利。

大国として繁栄を謳歌します。

しかし、その繁栄の裏側では、少しずつ国内に病巣が広がっていたのでした。

それに目を向けて改革を断行しようとする者と、既得権を持っているがゆえに改革をつぶそうとする者。

外部との争いではなく、ローマ人同士の衝突。

それが、この巻から始まる「勝者の混迷」です。

今回も、印象に残ったフレーズをご紹介しましょう。

 

印象に残ったフレーズ

いかなる強大国といえども、長期にわたって安泰でありつづけることはできない。国外には敵をもたなくなっても、国内に敵をもつようになる。外からの敵は寄せつけない頑健そのものの肉体でも、身体の内部の疾患に、肉体の成長に従いていけなかったがゆえの内臓疾患に、苦しまされることがあるのと似ている。-ハンニバル-(リヴィウス著『ローマ史』より)(p12)

まるでローマに訪れる混迷を予言していたかのような一言。

この言葉を語ったのは、ローマの宿敵であったハンニバルとされています。

国家だけではなく、会社でも、個人でも、この言葉から逃れることはできそうにありません。外面的には成功したと思われるようなとき、出世をしたり、栄転をしたり、新しい仕事を任されたり、そのようなときにこそ、自分を振り返ってみることが大切なのかもしれません。

そして、変化した「外面」に合わせて、自分の内面を磨いていく。勉強をしたり、スキルを高めたり、いろんな方法があると思います。

変化が激しいときほど、内面に目を向けることを忘れないようにしたいものです。

 

「子は、母の胎内で育つだけでなく、母親のとりしきる食卓の会話でも育つ」(ローマの女の鑑と讃えられたコルネリアの言葉)(p29)

子を持つ親として、なるほどと思う言葉でした。

実は、家庭の中での会話というのは、親が子どもにできる、最高の教育なのかもしれません。

そう知ってはいても、家でどんな会話をするのか、なかなか意識してできることではありませんが、ときおり家庭の中でどんな会話をしているか、それが子どもにどんな影響を与えるのか、振り返ってみたいと思う一節でした。

 

すべての物事は、プラスとマイナスの両面をもつ。プラス面しかもたないシステムなど、神の技であっても存在しない。ゆえに改革とは、もともとマイナスであったから改革するのではなく、当初はプラスであっても時が経つにつれてマイナス面が目立ってきたことを改める行為なのだ。(p155)

どんなシステムでも、もともとはプラス面が大きかったから採用されたはずです。

年金なんかが典型だと思いますが、当初は時代に合った制度でも、時代が変わるにつれて、制度疲労を起こしマイナス面が目立ってくる。

私たちの生活のなかでも、いいことだとして始めたことでも、続けているうちに、マイナスが大きくなっていたり、意味がなくなっていることもあるのかもしれません。

そうした惰性でやっていることを見抜くときにヒントになる、現代経営学の父、ドラッカーの「質問」があります。

「まだ行なっていなかったとして、かつ今知っていることをすべて知っていたとして、今これを始めるかを問わなければならない」

一つひとつの習慣について、タスクについて、問いなおしてみることで、見直すきっかけが得られるかもしれません。

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