ローマを相手に思わぬ敗北を喫した大国カルタゴで、一人の青年が復讐を誓った。その名はハンニバル。スペインから象と大軍を率いてアルプスを越え、彼はイタリアに攻め込んだ。トレッビア、カンネ……知略と戦術を駆使し、次々と戦場で勝利を収める。一方、建国以来最大の危機に見舞われたローマは、元老院議員でもない若者スキピオに命運を託した――冷徹な筆致が冴える大戦記。

ローマvsカルタゴのポエニ戦争。

大きく三回にわたって行われるポエニ戦争の中でも、ズバ抜けて面白いのは、やはり第二次ポエニ戦争です。

ここで、史上最高レベルの戦術家と讃えられるカルタゴの名将、ハンニバルが登場し、ローマを徹底的に破り続けます。

最初は、ハンニバル相手に大敗を喫し続けるローマですが、途中から、ハンニバル相手に「負けない戦い」を採り、ハンニバルへの補給線を断ちながら、ひたすらに持久戦を展開します。

戦線が膠着して、数年。ついにローマにも、ハンニバルに対する名将、スキピオが登場し、二人の天才が激突。

これが、第二次ポエニ戦争のクライマックスです。

なぜハンニバルはそれほどまでに強かったのか。ハンニバルに負け続けたローマは、なぜ崩壊しなかったのか。スキピオは、どうやって天才ハンニバルに対抗したのか。

1巻まるごとが、もう「読みどころ」しかないような濃厚な一冊です。

 

印象に残ったエピソード

この4巻の名言といえば、これを外すことはできないでしょう。

天才とは、その人だけに見える新事実を、見ることのできる人ではない。誰もが見ていながらも重要性に気づかなかった旧事実に、気づく人のことである(p127)

深い…。

考えてみれば、天才と言われる人も、そうではない人も、見ているものは同じのはずです。ただ、その中から「何に気づき、考えるか」が人によってまったく違います。

「アフリカに行った、二人の靴のセールスマン」の話は有名なので、ご存知の方も多いと思います。セールスマンの一人は、アフリカに行って、誰も靴を履いていないのを見て、「ここでは誰も靴を履かない! 売れるはずがない!」と言い、もう一人のセールスマンは同じものを見て、「誰も履いていない! メリットを伝えられればいくらでも売れる!」と言った、という話です。

ハンニバルや、ハンニバルが手本にしたアレクサンダー大王は、売れる靴のセールスマンが気づいたように、戦いの中で気づいてしまいました。

それまでの戦闘は、歩兵は歩兵同士、騎兵は騎兵同士で闘うのが定法だった。騎兵の機動性が活用されたとしても、敗走する敵の追撃程度であったのだ。この戦法だと、勝負を決めるのは「量」になる。
(p127)

でも、そうしなければいけない理由なんてない、と。「歩兵は絶対に歩兵にぶつけなければいけない」「騎兵同士で戦わなければいけない」そんなルールはありません。

そこで彼らは、騎兵を上手く使うことにより、戦場の主導権を握り、相手を包囲殲滅してしまう戦い方を発明します。

そうして、その戦法を使い、ハンニバルは勝ち続け、ローマを建国以来の危機に陥れるわけです。

しかし、そのハンニバルの戦い方を吸収した若きスキピオが現れることで、ハンニバルの常勝も終わりを迎え、最終的には、第二次ポエニ戦争もローマの勝利に終わります。

 

自分がいつも見ているものの中に、実は「気づきの種」が隠れているかもしれない。そう思って現実を見返してみたら、今まで気づけなかったことに、気づけるかもしれません。天才と言われるほどの発見ではなくとも、そういう繰り返しが、夢に近づいていく道なのかもしれません。

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