『ローマ人の物語』、今回は文庫2巻目のブックレビューです。

ローマ人の物語イタリア半島統一までの長き道のり。
ギリシアから視察団が戻り、前449年、共和政ローマは初の成文法を発表。しかしその内容は平民の望むものとは程遠く、貴族対平民の対立の構図は解消されなかった。近隣諸族との戦闘もさらに続き、前390年夏にはケルト族が来襲、ローマで残虐のかぎりをつくす。建国以来初めての屈辱だった。ローマはいかにしてこのどん底から這い上がり、イタリア半島統一を成し遂げるのか。

 

じわじわと支配圏を広げていくローマは、いよいよイタリア半島を統一します。

ただ、それは順風満帆な一直線の歴史ではありませんでした。

その間、ローマが繰り返した試行錯誤と一進一退。失敗を重ねながら、それでも立ち上がり、学び、進んでいく姿に、この時期のローマの底力を見る思いがします。

 

個人vs組織

リヴィウスのあげた理由の第四は、アレクサンダー大王対ローマの戦争は、個人に対するに、人材の結集に成功した組織の対決であり、アレクサンダーのもっていた十年余りの期間では、最終的な勝利は、才能ある個人よりも効率よく機能する組織に帰したであろう、と言うのだ。リヴィウスは、こうも言う。「一人一人の戦士は、各々の運によって生きたり死んだりする。ただし、ローマでは、一人の戦士の死は、国家の損失にはただちに結びつかないですむ」

天才的な軍事的才能を持って、大帝国を築きあげたアレクサンダー大王が、もし西方に興味を持ち、当時のローマとぶつかっていたら、どちらが勝っただろうか。

「歴史にIFはない」と言いますが、こうしたIFは考え始めると面白いものです。

興味をひかれるのは、現代人も、古代ローマ人も同じのようで、歴史家リヴィウスが、勝敗予想をしています。

彼の予想は、「ローマが勝つ」

リヴィウスその人がローマ人であるために、ローマに有利になりがちなのは割り引かないといけないと思いますが、彼が述べている「ローマが勝つ理由」は面白く、その一つが上記のフレーズです。

「ローマには組織力があるから、ローマが勝つ」と。

どうしてローマにそこまでの組織力があったのかと思うんですが、やはり一つは、敗軍の将の処し方にあると思います。

ローマは敗軍の将を処刑せず、「負けたのだから、そこから学ぶことも多かっただろう」と、何度もその将軍に指揮をとらせたと言います。

そういう戦い方をすることで、ローマには経験豊富な指揮官が常に何人も控えていました。それが天才的な個人に依存しない、組織の強さにつながったということなのでしょう。

 

負けには屈せず、勝ちには乗じる

古代から現代にいたるまで、歴史家たちがこぞって認めるローマ人の特質の一つは、敗北を喫してもその害を最小限にとどめる才能と、勝てば勝ったで、その勝利を最大限に活用する才能である。

このスタンスは、ぜひ見習いたいところです。

どうしても失敗をしたら、それに引きずられて落ち込んだり、成功したら油断をしたりで、振り回されてしまいがち。

成功も失敗も、単に通り道にしか過ぎません。

目的地に着く途中で、大変なところがあったら、それを「失敗」と呼び、快適な部分を「成功」と呼んでいるだけなのかもしれません。

目の前の「成功」や「失敗」にあまり一喜一憂せずに、とにかく前に向かって歩いていくことを考えたいなと思います。