「値段を決める」というのは、とても勇気のいることです。

特に高額の値づけをした場合には、お客様にその価格を納得してもらえるだけのクオリティが必要になります。

ひとつ3,000円のガトーショコラ。

しかも、それが飛ぶように売れる。

そう聞けば、誰だって「なんで?」「そんなにおいしいの?」と疑問を感じます。

本書『1つ3,000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ』は、理論や理屈ではなく、実際に商売をして、試行錯誤を重ねながら今の形を作って来られた、氏家健治シェフの体験をまとめて、その「なぜ」に答えてくれる一冊。

私はこの本で初めて、氏家シェフのことや、そのお店であるKEN’S CAFEのこと、3,000円のガトーショコラのことを知りましたが、「ブランディング」について、経験に裏打ちされたヒントがたくさん得られる一冊でした。

本書で感じた「トップブランドのつくりかた」で、特に印象に残ったのは次の3つ。

・「ダントツ」を作る
・知ってもらう努力
・忘れられない工夫

早速、ご紹介していきましょう!

「ダントツ」こそ差別化

多くのお客様からトップブランドとして認められるためには、なによりも商品力が高くなくてはなりません。(中略)世のなかには無名でもクオリティの高いものはあります。トップブランドのみが高いクオリティを誇るわけではありませんが、クオリティの低いトップブランドは世のなかに存在しません。私のガトーショコラは、他が真似できないダントツのクオリティの高さにこだわりました。他よりも「ちょっと美味しい」ではダメなのです。「ダントツに美味しい!」と感動してもらえないとトップブランドとは呼べないと思うのです。(p55)

「無名でもクオリティの高いものはあるが、その逆はない」

まずは提供するものを価値をダントツに高めることにこだわる。

そのために、氏家シェフがされた”修行”がとてもおもしろいです。

ブランド力強化の一助として私が意識しているのは、自らの見聞を広めるために他の分野の一流を知ること。そのために実践しているのが、あらゆる分野の本質を追求するため、「100」をキーワードに一流を極める努力です。そのヒントになったのは、かつて『リュミエール』という映画評論雑誌の編集長が残したこんな言葉です。「映画評論家になるのは簡単だ。年間100本の映画を観れば、誰でも評論家になれるに違いない」(中略)映画に限らず、ある一定数以上の場数を踏むことは、あらゆる分野で本物を見分ける眼力を養うことにつながるのではないか。私はそう思い、まずは年間100軒以上のフランス料理店を食べ歩くことにしました。(p92)

食べ歩きのなかで、自分のところの「ガトーショコラ」の味に自信を深められたそうです。

この一流とされているものを自分で体験するというのは、「ダントツ」を作る上で欠かせない経験になるでしょう。

一流とされているものを知らなければ、どんなに自分が「これはいいものだ」と思っていても、独りよがりになってしまう可能性があります。

他の一流を研究しながら、自分のところのブランド力を高める一助にしていく。私自身、この100チャレンジはぜひ取り入れてみたいと思いました。

ただ、いくら「ダントツ」を作っても、知名度が低ければ残念ながら売れません。

その分野の「代名詞」になる

氏家シェフは、ウェブを使ってのPR等もご自身でされていたと言います。

その中で、「なるほどなぁ」と思ったのが、次です。

細かいテクニックはさておき、SEOでいちばん大事なのは、その分野の代名詞的存在になることです。たとえば、名古屋名物の手羽先の唐揚げで知られる「世界の山ちゃん」は、グーグル検索で「手羽先」と入れると1ページ目に表示されます。(p146)

「その分野の代名詞的存在になること」

これができたときに、その商品は「ブランド力を持った」ということになります。

もし既存のカテゴリーで代名詞的存在になることが難しければ、「自分が代名詞的存在になれるカテゴリーを作ってしまう」という方法もあります。

マーケティングに関する名著である『売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則』という本にこんな話が出てきます。

大西洋を単独飛行で横断した三番手の人をご存じだろうか。二番手がバート・ヒンクラーであることを知らない以上、三番手など分かりっこないと思うかもしれない。ところがあなたには分かっている。その人の名はアメリア・エアハートだ。ところで、アメリアは大西洋を単独で横断した三番目の人として知られているのだろうか。それともそれに成功した最初の女性として知られているのだろうか。(中略)たとえ顧客の心に最初に入り込まなかったとしても、希望を捨ててはいけない。一番手になれる新しいカテゴリーを見つければいいのだ。

ただ、一度、ブランド力を持ったとしても、何もしないとすぐに忘れられてしまいます。

忘れられない工夫

SNSやメルマガを通じたこれらの地道な活動は、「カンフル剤」だと思っています。メディアに出て一時的に話題を集めたとしても、「そういえばあの店、どうなったの?」と消費者から忘れられるお店や商品は無数にあります。それを防ぐために欠かせないのがソーシャルメディアやメルマガを通じたカンフル剤。(p154)

テレビ等で取り上げられて、一時的には流行ったとしても、そのあとすぐに忘れられてしまう。そういった実例はいくつも思い浮かべることができます。

メディアに取り上げられたあとにこそ油断をせず、お客様に思い出していただく工夫をしつづける。それがブランドを維持するために欠かすことのできない条件だと感じました。

 

まず、ダントツを作り、それをPRし、忘れられない工夫をつづける。

そうした地道な工夫が、トップブランドをトップブランドたらしめているということがよく分かる一冊。

ご自身で商売をされている人、ブログ等で情報発信してる人には直接参考になりますし、ブランディングのケーススタディとしても面白い一冊でした!

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