シゴタノ!さんのメールマガジンで、『「ひとり会議」の教科書』という本が紹介されていました。

面白そうなタイトルだな、と思ったので、早速買って読んでみました。

書名から勝手にイメージしていた内容とまったく違い、ちょっと驚きました。

タイトルは「教科書」なのに全然堅苦しくない。むしろ正反対で「あれ、改行が多くて、文字がめちゃくちゃ少ない」と。

でも、文字が少ないというのは、中身がスカスカという意味ではもちろんありません。少ない文字のなかに、ヒントが散りばめられているような一冊でした。

ご紹介しましょう!

「ひとり会議」とは

本書で推奨されている「ひとり会議」というのは、ひとりで考える時間を積極的に持つこと。

考える時間を持たないと、どういうふうになってしまうかは、このブログでも過去に書いたことがあります。

「考える」をショートカットしたら、他の人の考えに組み込まれる | Designer’s Cafe
だから、「考える時間をもつ」のは大賛成です。ただ「ひとりで考える時間を持とう」と思っても、何から始めていいのか、なかなか難しいもの。

そういったとき「ひとり会議の教科書」を読めば、どんなことをすればいいのか、すぐに分かるようになっています。

「ひとり会議」の型を知る

本書では、「ひとり会議のスタイル」として、5つのパターンが紹介されています。

  • テーマ会議
  • 問題対策会議
  • フリー会議
  • スケジュール会議
  • 情報収集会議

それぞれの詳細は本書に譲りますが、こういった「ひとり会議の型」を知っておくだけで、グッとやりやすくなるはずです。

さらに、本書の中から、特に印象に残ったフレーズをご紹介していきましょう!

印象に残ったフレーズ

繰り返しの質問が専門家を育てる

僕たちは、自分へ一番多く投げかけた質問についての”専門家”になっていきます。「どうしたらもっとサボれるか?」という質問は「サボりの専門家」をつくりますが、「どうしたら効率良くできるのか?」は「効率の専門家」を、「どうしたらもっと利益をあげられるか?」は「利益の専門家」を生み出していくのです。(p59)

「自分に多く投げかけた質問についての専門家になる」

なんて言い得て妙な表現だろうと思いました。

「問題意識を持つことが大事」と言ったりしますが、それをもっと分かりやすく言ったら、こうなるのか、と。

たとえ今の時点では素人であっても、自分が多く投げかけた質問については、いつのまにか人より詳しくなり、”専門家”になっていく。

逆に言えば、「この分野の専門家になりたい」という希望があるのであれば、その分野に関連した質問を自分に投げかけ続けたらいいということになります。

問題より、心の状態が問題

なにが悩みなのか、ちゃんと把握できていないから、なんか憂鬱で、なんか気分がさがっているだけ。本当は、問題そのものは、たいした問題ではなく、問題が引き起こしている、この心の状態が問題なんです。(p77)

問題そのものを放っておいていいわけではありませんが、それ以上に、問題によって私たちの心が塞いでしまったり、それ以外のことを考える余裕がなくなってしまったりすることが、一番の問題です。

とは言っても、問題があるなかで、自分の心を平常通りに保つというのは、至難の業ではあります。

その解決策の一つが、「ひとり会議の時間を持つこと」でしょう。

これから「問題対策会議をする」と意識して、「問題だと思っていること」を片っ端から書き出していく。書き出すだけで、現実の問題が解決するわけではありませんが、「心の状態」はまったく変わります。冷静さを取り戻して、心を落ち着けることができます。

「問題」を解決するより前に、「問題が引き起こしている心のモヤモヤ」を解決しないと、なかなか前に進みません。「ひとり会議」をすることで、「心のモヤモヤ」の部分を解決することができるわけです。

「自分が何を感じているか」を大切にする

僕の知人に、すばらしいヒットメーカーがいます。彼女に「なぜ、いつもそんなに素敵なアイディアが出てくるの?」と質問したら「ものをたくさん見て、たくさん感想を持つことが大切だ」と教えてくれました。彼女はなんでも気づいたことを、リストアップする癖があるようです。たとえばあるカフェに入ったとすると、入り口がちょっと暗い? メニューが読みにくいかも? 女性が好むメニューが少ない? フロアは掃除が行き届いているな。店員さんの元気がない。センスのいい音楽が流れてるな。…など、思いつく限り「感想」を出していく。そしてその量がある一定量を超えると、「カフェ」について、次々とアイディアが出てくるといいました。(p109)

私たちは、いつも何かを感じて過ごしているはずです。

ただ、それをわざわざ「言葉にする」という作業をあまりやりません。

不思議なのは、感じたことを書きとめたりせずに、消えていくのにまかせた場合には、それ以上の発展はしにくいのに、それを文字にしたり書き出したりしていると、それが「いいアイディアのもと」になるという点です。

ブログを書いていて、似たようなことを感じます。

私のブログは、普段感じていること、考えていることがメインの内容になっています。

感じていることを感じっぱなしにしているときには、「そこからさらにアイディアが出てくる」ということはなかったのに、文字にして整理して公開すると、「それが元になって次のアイディアが出てくる」という体験を何度もしました。

自分らしい人生を送るために

『「ひとり会議」の教科書』は、「自分の頭で考えることができる人になりたい」と思ったものの、「何から始めたらいいか分からない」という場合には、格好の入門書です。

また、すでに自分で考える習慣がある人にとっても、「こういうやり方もあるのか」と新しいスタイルを見つけるヒントになるかもしれません。

文字が本当に少なく読みやすい本なので、分厚い本が苦手な方にも、おすすめできる一冊です。