トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社の代表取締役として、19年間にわたり増収増益を達成された吉越浩一郎さん。

その仕事術をまとめられた『デッドライン仕事術』の出版は、2007年でした。

当時、私はまだ大学生。

学生時代には時間に余裕があったので、デッドライン仕事術に興味をひかれることもなく、「スゴ腕の経営者の方なんだな」というくらいの認識だったかと思います。

また、もしも当時読んでいたとしても、その中身の凄さを十分に理解することは難しかったかもしれません。「締切を設定して、厳守したら仕事の効率は上がる。そりゃそうだよね」くらいの表面的な理解しかできなかっただろうな、と。

そんな私も、社会人になって仕事をするようになり、時間を上手く使いたいという思いからTaskChuteなどのタスク管理ツールも使うようになりました。

「今なら、読んで得るものも多いかもしれない」そう思って、ちょっとワクワクしながら『クラウド版デッドライン仕事術』を手に取りました。

クラウド版デッドライン仕事術

『クラウド版デッドライン仕事術』は、第1章から第6章で成り立っています。

第1章は、吉越浩一郎さんによる、「デッドライン仕事術」の要約。

それに続く残りの章は、ブログ”No Second Life“の主宰者であり、ベストセラー作家でもある立花岳志さんによる「クラウドツールをフルに使って、どうやってデッドライン仕事術を仕組み化するか」という実践談になっています。

デッドライン仕事術をすでに知っているという人には、「仕組み作りのヒント」として読めるし、クラウドは使っていてもデッドライン仕事術は知らないという人には、「デッドライン仕事術を取り入れた、ツールの使い方のヒント」になります。

私のように両方とも知らない人には、デッドライン仕事術のキモの部分と、ツールの使い方の両方が学べて、一挙両得な気分でした。

デッドライン仕事術とは

まず、デッドライン仕事術とは、何でしょうか。

デッドライン仕事術は、2つの柱で構成されています。
①すべての仕事に期限を設定すること
②一日の仕事の終了時間を設定し、それを死守すること(p25)

すべての仕事に締切を設定する。「仕事は何時まで」と決める。残業をしない。

これがデッドライン仕事術の基本です。

締切がないものや、曖昧な仕事というのは、とかく後回しにされます。

後回しにされた結果「え、まだやってないの? 明日までにやっといてよ」というように差し込まれる。「それならもっと早く言ってくれよ」と腹を立てながら取り組まざるをえなくなり、他の仕事がまた後回しになってしまう、そんな悪循環にはまってしまいます。

結果ズルズルと残業して、仕事は追い立てられているようで楽しくない。プライベートの時間も取れない。

デッドラインを決めて、それを死守するというのは、かなりの集中が必要ですし、負担もかかります。けれど、何のためにやるのかといえば、「自由な時間を得るため」です。

自由に生きていくためには、仕事は最短時間で最大効率で終えることが求められます。(p5)

「デッドラインのない仕事」というのは、ラクなように見えて、結局、私たちの大切な時間を奪っていきます。

結局「自由な時間を得るために、多少しんどくても集中して仕事を終える」か「自由な時間を犠牲にして、長時間働くか」のうち、どちらがいいかという選択になるでしょう。

クラウドツールを使って、デッドライン仕事術を仕組み化する

では、「自由な時間を増やす」ためにデッドライン仕事術を活用するとして、どうしたらいいのか。

ここで、立花岳志さんが書かれた第2章から第6章までの出番です。

会社の一員として「デッドライン仕事術」を導入され、業績をV字回復させたご経験と、今のノマドワーカーとしてのご経験を両方お持ちの立花さんならでは、という感じで「会社の中の仕事」にも使えるし、それにとどまらず「人生を理想の形に近づけていくために、どうやってデッドライン仕事術を使っていくか」までもカバーされた内容になっています。

PDCAサイクルの回し方、Evernoteを使ったペーパーレス書類管理、クラウドツールを活用した会議、マインドマップでアイデアを出すやり方、など。

このパートについては、分量の関係上、細かい内容までご紹介できませんが、立花さんのPDCAサイクルの回し方や、Evernoteをはじめとしたツールの活用法が、かなり詳しく書かれており参考になる部分が多くありました。

特に、PDCAサイクルの回し方の部分は、年末で来年の目標を立てやすいこの時期、自分のPDCAサイクルの回し方をもう一度見直すヒントになりました。

 

最後に、私が本書を通じて一番感じたのは、次のことです。

仕事のデッドラインは、人から設定されることが多いけれど、「自分の人生でやりたいこと」のデッドラインは、自分が設定しなければ誰も設定してくれない。

自分との約束をコツコツと守っていくことを、何よりも大切にして毎日を過ごしていきたいと思います。