今回は「やる気に頼る前にするべきこと」のお話です。

私には、ずっと大きな疑問がありました。

例えば、「頑張ればできるだろ!」しか言わない上司がいたとしたら、ほとんど確実に嫌われますよね。

「もう頑張ってるじゃないか」「精神論言うだけで、具体的な指示はナシかよ」そう思ってしまうことが多いんじゃないでしょうか。

けれど、どうして自分のことになると「意志の力」「やる気」「モチベーション」に頼ってしまうんだろう、と。

やる気がでないと、私たちは平気で「モチベーション上げないと」とか「意志が弱いからなぁ」とか”精神論”を口にしたりします。

とても不思議なことだと思いませんか? 人から精神論を言われるのは嫌いなのに、自分に対しては精神論を言っているわけですから。

意思の力に頼るな!

ここで一つ提案です。

やる気が湧かないとき、意志の力で解決しようとするのを止めませんか。

人から「お前のやる気が足りないんだ」とか「お前は意思が弱い性格なんだ!」とか言われたら、めちゃくちゃ腹が立ちますよね。

でも、それと同じことを自分に対してはなぜかやってしまう。

意志の力や、自分の性格に原因を求めてしまう。

こんな変なこと、止めにしたほうがいいと思うんです。

環境を整えれば、やる気が生きる

先日、塩野七生さんの『ローマ人の物語 悪名高き皇帝たち[二]18』を読んでいたら、とても面白い一文を見つけました。

こんな一節です。

ローマ軍には、精神力とか士気とかの不確定要素よりもまず先に、兵士の数や武器や兵糧等の確定要素を準備してから戦争をはじめるという伝統がある。ローマ軍は兵站(ロジスティクス)で勝つと言われたほどで、補給線の確保は司令官にとっての最重要な任務とされていた。(p155)

軍の伝統について触れている箇所ですが、この考え方を個人に適用することもできるはずです。

意志の力とかやる気だとかは「不確定要素」です。自分自身でさえ、明日やる気がきちんと出るかどうか分かりません。

そんな頼りないものに頼る前に、環境を整える。

例えば、

  • 面倒くさいなぁと感じて先送りしているタスクであれば、もっと細分化して面倒くささを減らす
  • 運動の習慣を身につけるのに、先にランニングシューズの用意をしておく
  • 英語の勉強をするのに、ボタンひとつ押せばいつでも聞けるようにしておく

もちろん、確定要素を準備して環境を整えたからといって、100%できるようになったりはしません。

それでも、確定要素を準備しておくことで、勝率50%の戦いを、60%や70%にすることはできます。

それは意志の力に頼るよりも確実に勝率を上げてくれるものです。

そうして環境を整えたあとで初めて、やる気が活きてきます。

もし自分の努力が続かないのを、意志の力や性格のせいだと考えているならば、一度、考えてみてください。

なぜ人から精神論を言われるのは嫌なのに、自分で自分に同じことをしているのか、と。新しいアプローチが見つかるかもしれません。