今回は「タスク管理10のポイント」と題して、タスク管理の要点をお送りします。

どのジャンルにも、「まずはこれを読んだらいい」という定番本がありますよね。

タスク管理においては、この本『クラウド時代のタスク管理の技術』。

この本自体、すごくまとまっている良書なんですが、そこからさらに10個のポイントを取り出してお送りします!

タスク管理10のポイント

  1. タスク管理は「やりたいことをやる」技術
  2. タスクを頭で管理しない
  3. 「人は時間の見積もりが苦手だ」と知る(計画錯誤)
  4. 「すべてがここにある」安心感を作る
  5. ルーティンをチューニングする
  6. 「良き習慣」を確立する
  7. プロジェクト管理を確立する
  8. プロジェクトは「細分化」で進める
  9. レビューで改善する
  10. タスク管理は心を平和にしてくれる

1. タスク管理は「やりたいことをやる」技術

「何か」をするためにタスク管理ツールを使う。「何をするか」については完全に読者の自由なのです。(p33)

タスク管理というのは、誤解の多い言葉だと私は思っています。

「仕事っぽい響き」を持っているために、「大変そう」「窮屈そう」「そこまでやらなくても…」と言われることが多いです。

ただ、タスク管理というのは、「仕事をこなすための技術」では決してありません。

もちろん仕事を管理しますが、それは手段として。

仕事をうまく管理することで、「自由な時間を手に入れて、やりたいことをやる」ためです。

やりたいことというのは、「勉強する」かもしれないし、「趣味を極める」かもしれない。

タスク管理によって生まれた時間を何に使うのかは、完全に自由です。

だから、「今すでに、やりたいことができている。時間にも困っていない」というのであれば、あえてタスク管理に手をつける必要性は薄いでしょう。

一方、「やりたいことはあるけれど、時間がない」というのであれば、タスク管理の技術を学ぶことで打開できる可能性が大いにあります。

2. タスクを頭で管理しない

本書で言いたいことを一言で言えばこうです。頭でタスクを管理しない。ただこれにつきます。(p14)

では、「時間がない病を打破しよう」と思って、タスク管理に手をつけたとします。

最初は何から始めたらいいのか迷ってしまうかもしれません。

けれど、タスク管理には、いくつかの鉄則があります。

細かいやり方を気にする前に、まずはその鉄則を押さえてしまいましょう。

その鉄則の中でも、一番大事だと思えるのが、これ。

「タスクを頭で管理しない」

タスクを頭で管理すると、ろくなことがありません。

「忘れないように…」といつも気にかけていないといけない。

複数のタスクを抱えると、必ずと言っていいほど、どれかが手薄になる。

締切の直前になって、抜けていた仕事が急に頭をよぎり「あ、やっば!」 と慌てるはめになる。

忘れていたことを、他の人に指摘されてはじめて気づく。

そんな事件が頻発します。

しかも、一度、”事件”が起きてしまうと、その対応にかなりの時間とエネルギーをもっていかれます。

焦ってやることになって、やり終えたときにはクタクタ。

何をする気力も残っていない、という状態になりがちです。

頭でタスクを管理している限りうっかり事件は起き、うっかりがある限り自分の大事な時間とエネルギーをそっちに持っていかれてしまいます。

タスク管理が目指すのは、「うっかりの撲滅」であり、その結果として「ストレスの少ない、ゆとりのある状態を手に入れる」こと。

ゆとりが手に入れば、やりたいことも実行できるようになるからです。

3. 「計画錯誤」を知る(時間の見積もりが甘くなる)

“うっかり事件”の他にも、頭でタスクを管理してはいけない理由がもう一つあります。

それは、「現実的な計画が立てられない」から。

脳がもっとも苦手とすることの1つに、時間の見積もりがあります。私達は、平気で「じゃあこの案件、3ヶ月後が締め切りということで」などと口にしているのですが、ある意味ではとんでもないことなのです。(中略)3ヶ月でいったいどのくらいの作業を進められるのか。私達はそれを知らずに「3ヶ月後が締め切りの仕事」に従事しています。(p20)

私たちは、けっこう平気で非現実的な見積もりをします。

何の根拠もないのに「3日あれば終わるだろう」というように。

でも、「3日かかると思った」ことをやってみたら、実際には一週間かかった、なんてことはザラです。

時間の記録をとってみると、まざまざと知ることになりますが、私たちは、時間を見積もるのがとても下手です。

頭の中で、「たぶん何日くらいかかるだろう」と立てた見積もりは、ほぼ確実に、超楽観的なものになります。あらゆることが自分に都合のいいように展開したら、それくらいの時間でできるだろう、という見積もりになるんです。

頭でタスクを管理していると、とても「現実的な計画」を作ることはできません。

ノーベル経済学賞を受賞した学者ダニエル・カーネマンは、この現実的な計画が立てられない傾向を「計画錯誤」と呼んでいるくらいです。

現実的になれなかった代償は、締切間際になって慌てるという形で払うハメになるのが普通です。

4. 「すべてがここにある安心感」を作る

では、「頭の中でタスク管理をしない」とすれば、どこでするのでしょうか。

本書では、ツールとしてtoodledoが紹介されています。

私は、タスクシュートを使っています。

参考:タスク管理ツール・タスクシュートの使い方、特徴、効果まとめ

どのツールを使うにしても大事なのは、「ここを見れば、すべてがある」という状態を作り出すこと。

「手帳にあったか、それともツールにあったか…」と考えるのはよくありません。クラウド上にある。そこにしかない。そこになければどこにもない。そういう状態を達成するのです。そういう状態を達成すれば悩むことがまったくなくなります。(p15)

「ここを見れば、やることは全部書いてある」という状態になったときの、この安心感はものすごいものがあります。

これだけで、モヤモヤ、不安の半分が消し飛んでしまうくらい。

私たちは、「見えない」ものに対処するのは苦手ですし、不安を感じますが、見える化してしまえば冷静に対策を考えていけるんです。

5. ルーティンをチューニングする

ここで疑問に思われるかもしれません。

「すべてがここにある? やることが全部書いてあるリストだって? そんなものを毎日作るなんて面倒くさくて考えられない。一日にどれだけの仕事をしていると思ってるんだ。リストを作るだけで、何十分もかかってしまうよ」と。

ごもっともです。

手書きなら確かに、それだけの時間がかかってしまうでしょう。

ただ、ここでデジタルツールが威力を発揮します。

実は、私たちの毎日というのは、かなりの部分が「繰り返し」でできています。

毎日、毎週、隔週、毎月。

頻度はさまざまかもしれませんが、私たちは、非常に多くの繰り返しタスクをこなしながら生きています。

だから、毎日やることのリストを作るといっても、毎回ゼロから創り上げるわけではありません。

デジタルツールであれば、繰り返しのタスクは、一度リピートの設定をしてしまえば、あとはツールが自動的に表示してくれます。

だから、繰り返し以外の部分を少し入れ込めばいいだけです。

やってみると分かりますが、実は繰り返しのタスクだけで、一日の7~8割近くなり、あとの2~3割だけを入れ込めばリストは完成します。

一度やり方が確立してしまえば、かかる時間は、ものの10分足らずです。

6. よき習慣を確立する

また、もともと「毎日」とか「毎週」とか決まっているタスク以外にも、「繰り返しにしたほうが対処しやすいタスク」もあります。

例えば、私には「二週間に一度、寄稿をする」というタスクがあります。

これは、「二週間に一度」という期限を守れば、少しずつ書いても、まとめて書いても、進め方は自由です。

ただ、こういったタスクは、一気に書こうなんてせずにコツコツ進めていくほうがストレスが少ない。

つまりは、「ルーティンにしてしまう」ほうがいい。

ルーティンという言い方がしっくりこなければ、「良き習慣を作る」という言い方でもいいでしょう。

ルーティンで対処できるタスクは、積極的にルーティン化して「良き習慣」を作っていきましょう。

ルーティン化することで、大きく2つのメリットが得られます。

成功の仕組み化

1つは、「成功パターンを繰り返すことができる」

やってみて、上手くいったパターンを「習慣」として確立してしまえば、上手くいきやすくなるのは、当然のことです。

「たまたまの成功」ではなくて、「この手順でやれば毎回うまくいく」という状態に持っていくことができます。再現性を高める、というワケです。

スピードアップ

もう一つの効果は、「スピードアップ」です。

やり慣れた仕事をするのと、初めての仕事をするのでは、どちらのほうがスムースでしょう?

言うまでもありません。やり慣れた仕事のほうが、何倍も速い。しかもラク。

同じ作業をパッケージにして繰り返すことで、短時間でラクに終えることができるようになるんです。

7. プロジェクト管理を確立する

ルーティンがうまく扱えるようになれば、「もう戻れない」と思えるくらいストレスが減り、仕事がスムーズになることでしょう。

ただ、仕事をしていれば、ルーティンだけでは済まされない部分も出てきます。

突発的な一回限りの仕事が発生することもあれば、いわゆる「プロジェクト」的なものが出てくることもあります。

突発的な単発仕事の場合には、その都度対処していくしかありませんが、プロジェクトについては、ぜひとも進め方を確立しておきたいところです。

プロジェクトは、本書ではこう定義されています。

プロジェクトとは完了までに2日以上かかり、ルーチン作業だけでは終わらない仕事のことを言います。たとえば私とって「勉強会の開催」はプロジェクトです。(中略)また、プロジェクトのもう1つの大事な定義があります。締切日があることです。(p78)

プロジェクトを上手く管理するためには、タスク管理ツールと別の「プロジェクト管理ツール」を用意するのが得策です。

なぜなら、タスク管理とプロジェクト管理では、まったく軸が異なるからです。

タスク管理というのは、「今日やること」を軸にします。タスク管理ツールが答えてくれるのは、「私は今日何をしなければいけないか?」です。

一方、プロジェクト管理というのは、一つひとつのプロジェクトを軸にします。プロジェクト管理ツールが答えてくれるのは、「このプロジェクトを終えるために何をする必要があるか?」です。

細かい話を書くと、それだけで何本も記事を書けてしまうので、ここでは割愛しますが、まずは「タスク管理」と「プロジェクト管理」は別物であり、ツールをそれぞれに用意するほうがやりやすい、と知っておいていただいたらいいでしょう。

ちなみに、私がプロジェクト管理に使っているのは、WorkFlowyです。

プロジェクト管理ツールとしてのWorkFlowyについては、今書いているところですので、ご興味があればリンク先もご覧いただければと思います。

8. プロジェクトは細分化で進める

プロジェクトを小さな単位に分解することは非常に重要です。それによってタスクに取り組む気力がわき上がることもあれば、急速にしぼんでしまうこともあるほどです。タスクに取り組む気力がわくかどうかは、タスクの分解の仕方にかかってくると言っても言い過ぎではありません。(中略)タスクを見て即座に実行できるかどうかが基準です。できるならそれ以上分解する必要はありません。(p101)

さて、プロジェクト管理ツールを用意したとして、そこで一番大事になるのは「実行できるサイズにプロジェクトを細分化すること」です。

これこそが、プロジェクト管理の要諦と言ってもいいでしょう。

「プロジェクトが進まない」というのは、たいていの場合、細分化されておらず何をしたらいいのか不明確なままになっているか、細分化はされているものの、その細分化のやり方が不十分かのどちらかです。

プロジェクトが進まない原因は、たいてい意思の不足でも、向き不向きでも、時間が足りないことでもありません。「これならできる」というサイズまで、細分化をやりなおすだけで、スイスイ進んだりするんです。

9. 振り返り(レビュー)で改善する

ここまできたら、問題なくタスクがまわるようになり、タスク管理を始める前に比べたら、まったく違う世界になっているはずです。

さらにレビューの習慣を取り入れることができれば鬼に金棒ですね。

レビューというのは、定期的な振り返りのこと。

オススメは、やはり毎日やることです。

私の場合には、朝に、前日のレビューをするところから一日を始めるようにしています。

何をしているかと言えば、「タスクの調整」です。

例えば何か失敗をしたときに、「がんばる」「気をつける」ほど効果が出にくいものはありません。何か具体的に行動を変える必要があります。

だから、レビューをして、上手くいかなかった原因が思い当たれば、再発防止のタスクを組み込んだり、チェックリストを作り変えたりします。

逆に上手くいったことがあれば、その要因を考えて、なるべく再現できるようにタスクを組み替えます。

「今までと違う順番でタスクに取り組んだら、なんだか調子が良かった」なら、その順番にタスクの並び順を変えたりします。

レビューと言っても、難しく考える必要はなくて、要は「快適に過ごせるように、一日のタスクの流れを調整する作業」。

こうすることで、だんだんとストレスフリーで、余裕のある毎日が組みあがっていきます。

10. タスク管理は心を平和にしてくれる

タスク管理システム全体が果たしている非常に大事な機能は、心の平安を確実なものにすること(p203)

「どうしてここまでやるのか」と思われる方もきっといらっしゃるでしょう。

答えは簡単で、タスク管理をすることで得られるものがあまりに大きいから。

私が得たのは、「自由な時間」と、それを活かすための「安心感」。

自分がやらないといけないことはすべて、ツールの中に収まっている。

今日使える時間はこれだけある。今日はここまで作業が進めば合格点。

タスク管理システムを見ていれば、これが常に把握できるんです。

「今日は何をすれば…」「やり忘れていることは…」「時間が足りない!」なんてことは、絶対に起こらないとは言えませんが、起きる回数が比べ物にならないくらいに減ります。

まとめ

ここまで、『クラウド時代のタスク管理の技術』を私なりに10のポイントでまとめてきました。

タスク管理とはどんなものか、何が得られるのか、少しでもイメージが伝わりましたでしょうか。

文字で書くと、大変そうなイメージがあるかもしれませんが、実際に慣れてしまえばこんなに快適な生活はありません。

最後にひと言だけ。

私がもし「どうしてタスク管理をしているんですか」と聞かれたら、こう答えることにしています。

「時間的にも、精神的にも自由でいたいから。人から急かさせて頑張りたくないから」

この記事が、タスク管理の手引になって自由を手に入れるサポートになれば、こんなに嬉しいことはありません。