タスク管理の方法論のなかで、「優先順位をつける」という考え方があります。

やることはたくさんある。

でも、時間は限られている。すべてをやるのは難しい。

だから、まず「大事なこと」から片づけていくんだ。

そうすれば、全部できなかったとしても、「大事なもの」は最低限終えることができる。

けれど、この考え方の通りに実行したとして「やりたいこと」ができていますか?

おそらくできていないんじゃないでしょうか。

優先順位付けには、罠が隠れているんです。

優先順位づけの罠

優先順位の基準

罠というのは、「普通に優先順位をつけたら、やりたいことはできない」ということ。

優先順位を付けるとき、何を基準にして順位をつけますか?

大抵は「もしできなかったときに何が起きるか」を基準にすることが多いでしょう。

「この仕事を落としたら、部署全体に迷惑がかかる」タスク。重要。

優先順位:A

「この仕事ができなかったら、取引先から何て言われるか分からない。超重要。

優先順位:S

こんな感じです。

やりたいことの優先順位は低くなる

けれど、この優先順位の付け方だと、「人との約束」がどんどん優先されていきます。

一方、「自分との約束」はどんどん下に追いやられていく。

「自分との約束」は、もしできなかったとしても、何も起きませんし、誰にも迷惑がかかりません。

優先順位が下になってしまった「自分との約束」「自分がやりたいこと」は、結局、実行されないまま。

この仕事を終えたら…やりたいことができる?

その中で、こんなふうに言うんです。

「仕方ない。この仕事を落とすわけにはいかないんだ。今はこれに集中しよう。終わったら、やりたいことに手をつけたらいいんだ」なんて。

けれど、一つの大事な仕事が終わったら、自由な時間ができるでしょうか?

できません。別の重要案件が入ってくるだけです。

そうして、ずっと優先順位リストの上位には「人との約束」ばかり。

そうして一ヶ月、二ヶ月。

だんだんリストを見るのが嫌になってきます。

「どうせ出来ないなら消してしまおう」とついにはリストから消えてしまう。

これが優先順位づけの罠です。

やりたいことは最優先にする

だから、「人との約束」(やるべきこと)と「自分との約束」(やりたいこと)があったなら、優先順位をつける前に、まず「やりたいこと」をやる時間を確保しましょう。

「やりたいこと」をやる時間を確保したあとで、残った時間で「人との約束」をきちんとこなすために優先順位をつける。

これが、悲劇を起こさないための順番です。

人生の終わりに後悔すること

自分の人生、自分のやりたいことをやる以上に、優先すべきことがあるでしょうか。

思い浮かべてみてください。

死の床についたとしたら、「もっと誰かに頼まれた仕事に時間を使うべきだった」なんて後悔するでしょうか。

そうじゃない。

「もっと自分らしく生きたら良かった」「もっと家族との時間を大切にすべきだった」と思う人がほとんどのはずです。

もちろん、人との約束を破ったり、やるべきことをいい加減にやっていい、と言いたいわけじゃありません。

それはとても大事なことです。

優先順位を、やらない言い訳にしない

私が言いたいのは、「やるべきこと」と「やりたいこと」を同列に扱って優先順位をつけたら、間違いなくやりたいことはできない、ということ。

「ワクワクすること」「やりたいこと」を別格扱いして、それに取りくむ。

残った時間で「やるべきこと」をやりきるために優先順位を使う。

そうしないと、いつまでたっても、やりたいことに手をつけることはできません。

「優先順位をつける」のが、「やらない言い訳づくり」になってしまいかねません。

そんな悲劇は、もう終わりにしましょう。